マドリッドから発信


by dias-madriz
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Fin de contrato vol.1

ご無沙汰しております。
いつも今さらって感じなのでブログ止めようかと思いましたが、細々と更新していこうと思います。


さて、話は変わって…。


スペインで生活をして7年目。その間、本当に色々なことを経験した。問題もたくさんあった。最近よーやく落ち着いてきたなあって思っていた矢先にまた問題。



失業しました!



あっ、ワタクシの名誉のために前言を少しだけ訂正。



契約終了につき失業しました。



契約終了期限が近づいていて、職場のボスたちと今後について話していた。私は自分の業績から見て、てっきり契約更新してもらえるってのんびり構えていたんだけど、結果はNO……。


2010年現在、スペインの景気は最悪。うちの職場も不況の煽りは受けていた。大口の取引先はなくなったし、小口のお客さんも減った。何となく感じてはいたのよ。だってここ数ヶ月、給料の支払いも遅れていたし…。


日本では割とボスに近い位置で働いていた私(あっ勿論、地位的なことではなく距離的に。要はボスの使いっぱ)。

会社の経営状態を常に把握していたし、ボスはボスなりに悩んでいたりしていたから(勿論、ヒトデナシもたくさんいましたが)「会社が苦しい」と言われると、妙に素直に納得する癖がついている。


今回も、ボス二人(会社の共同オーナー)が、あーだこーだ説明してくれた。

会社は倒産するかもしれない。この状態では誰とも契約の更新ができない(既に同僚のスペイン人は何人か解雇されている)。


でもね、madriz、君には大満足しているんだ。君の場合は解雇じゃないんだよ。誤解しないでね。契約は更新できないけど、良かったらこのまま僕たちと一緒に仕事をして欲しいんだ。君がここに残りたかったら僕たちは大歓迎なんだ…

(話、なげーよ!スペイン人。)




んんんん???




いま、契約無しで仕事をしろとおっしゃいましたね???



そりゃあ、無理な話です。



契約無しということはブラックマネーでお給料をもらうこと、つまり会社が従業員の社会保険を支払わないと言うことだ。


もうね、スペインってこのやり方がホント多いの。うんざりするくらいネグロ(ブラック)の世界。例えば、給料が1000ユーロだとする。もし、半分がネグロだったりしたら、給与明細の金額は500ユーロ。


なんでこんなにネグロが蔓延するのか。


会社が負担する社会保険料を減らすためには給与額を下げるしかない。従業員たちは手取りにしてみたら、ネグロだろうがなんだろうがもらう額に変わりはないから、何とも思わない人もいる。


でもね、もし失業したら失業保険の算出にネグロの部分は含まれないのよ。将来年金をもらうときだって、算出額にはネグロは含まれないのよ。


目先のお金にみんな惑わされるけど、長い目で見るとネグロってのは全然得じゃないのね。


で、私の職場。実は90%以上の従業員の給料が100%ネグロというとんでもない状態。まあ、人によっては週に数時間しか働かないから本人たちもあんまり気にしていない。時給で働いているとなおさらだ。


でも、週に数時間だろうが、時給制だろうが、契約書を交わさずに労働させることはスペインでは違法。雇用形態はどうであれ、労働させる限り会社としては契約書を交わして社会保険を納めなければならないのだ。


まあ、そんなのはうちの職場ではキレイゴトなんだけどさ……。


ここ数ヶ月に解雇された従業員はネグロ支給なしの契約書所持の人たち。つまり有給もあれば、社会保険も納めてもらっていた。



ちなみに私もネグロ支給なしの契約書所持者。



もう、お分かりですね。


うちの職場は今、契約書所持者をバンバン切っているわけです。だってお金がかかるし、有給だって与えなきゃいけない。



だったらネグロで満足してくれる人を残したほうが、会社としては儲かるじゃん!って考え方。




じゃあ、ボスたちは何で私にネグロで働いてくれ!って懇願するのか?っつーか、懇願する前に、自分たちの義務(私の契約を更新すること)を果たしなさいって思うんだけど、そこはスペイン人悪徳経営者。フェアーって言葉は存在しないのだ。


だいたい、スペイン人の基本精神は「ずる賢さ」なんだよね。

利用しなかったらマヌケ、盗まなかったらマヌケ。おいおい…、



ボスたちの思考回路というか目論見はこんな感じかな↓。

自分たちの首は絞めたくない(これ以上社員の社会保険を負担したくない)。
 ↓
madrizが去っていったら小口客がグンと減る(そりゃあ、やばいぞ)。
 ↓
madrizは契約終了になって失業したら失業保険がもらえるはずだ。
 ↓
失業保険受給期間に僕たちのためにネグロで働けば、彼女の手取収入は増えるぞ。
 ↓
彼女だってその方が嬉しいに決まっている(そうだ、彼女を金で釣ろう!)。


アホか!嬉しくないですよ。



労働許可証を所持している外国人である私は、一時的に失業しても問題はないが、働く際には常に契約が必須条件。社会保険を雇用主が納めないと、労働許可が更新できなくなるのだ。つまり、日本へ強制送還。


永住権を持っていなくて、スペイン人(EU圏人)とも結婚していない私が唯一持っているのは居住労働許可証。スペインで合法的に滞在しながら働くためにはパスポートよりも大切な紙。


所有してから1年目、3年目、5年目に更新をしなければならない(それ以降は永住権)。更新に必要な条件は、労働契約書、労働実績、そして社会保険をきちんと納めたかどうか(多分これが一番重要)などだ。


目先のお金なんてどーでもいいのよ。

ホントはよくないけど、強制送還に比べたらどーでもいい。



「madriz、仕事が見つからなかったら、ずーっとここで働いていいんだよ。遠慮しないで。もしかしたら近い将来、また契約してあげられるかもしれない。僕たちは今倒産の危機と闘っているんだ!分かってくれ!でも、行かないでくれーーー!」



そんなに懇願するなら契約書頂戴よ!だいたいアタシは週17時間契約だったんだから、月給だって高が知れているぢゃんか!



でも、敵も賢いものですわ。絶対、契約書を更新してくれない。それでも何でこんなにネグロで働け働けってしつこいのか?代わりの人を探せよ!って思うんだけど。


理由は簡単。私(&私が所属するチーム)は彼らにとって金ヅルなのだ。


私はかなりの利益を会社にもたらしてきた。文句はたくさん言ってきたけど仕事はきちんとしてきた。ボスもそれは十分承知している。私が職場を去ると、ボスたちが失うものは結構大きいのだ。だから、彼らも必死。



でもねーーー、基本的にやり方間違っているのよね。私にとってはお金よりも契約書のほうが重要なのよ。私を金で釣ろうとしても無駄な努力なのだよ。



そんなこんなで、ボスのありがたい申し出(ネグロで働くこと)は丁重にお断り。


「日本へ強制送還の危機があるので、今からソッコー職探し開始です。契約終了日以降、ここでは1秒たりとも働きませぬ!」


自分でもビックリするくらいテキパキとボスたちに宣戦布告。



なぜ、宣戦布告なのか?



詳しいことはまた次回


今回の件で実感したことは、信頼できる人間関係を築いておいて本当に良かったと言うこと。最終的に損をするのは失業するアタシじゃなくて、悪徳経営者たちなのだ。
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by dias-madriz | 2010-02-27 12:15 | Trabajo | Trackback | Comments(2)